Paroles
街路樹 錆びた声で 忘却(わすれ)の唄を吹く
埃を被るカセットに 断片(かけら)の夢が眠る
猫背の 陽に手を振る 紙芝居の残骸(ぼうれい)
優しい 幻灯機(まぼろし)は 回るフィルムの中
撫でるパネルが 映すのは 信仰(いのり)の残骸(まぼろし)
指が結んだ契りは 風に解けるだけ
loop loop…
夢にふけった あの頃は
咳き込むだけの ノスタルジア
醒めた夜に 彷徨えば
名もなき星が 呼びかける あぁ
孤独(ロンリネス)と呼ぶ この感情に
名前をくれよ スプートニク
loop loop…
ハッシュタグ 虚(うろ)を打つ バベルの迷信(まじない)
笑顔の振りをした アイコンが増えてゆく
「繋がってる」その言葉(うつろ) どこか遠くの話
既読(ようずみ)だけが光ってる 消せないディスプレイ
鼓膜の奥で 軋むのは 誰かのため息
救いなんて いつだって 検索(もうそう)の果て
loop loop…
リアルすぎるこの街で
フィクションにすがる モノローグ
星座になれぬ 傷跡が
空に浮かんで また滲む あぁ
孤独(ロンリネス)と呼ぶ この存在に
意味をくれよ スプートニク
僕はまだ 言葉を信じてる
形をなくしても 希望(ともるもの)があると
届かぬままでも 夜空を渡る
その光が 誰かを照らすから
夢を見すぎた時代でも
醒めきったこの時代でも
誰もが探す 生きる場所(ぬくもり)の
名を知らずに 叫んでる あぁ
孤独(ロンリネス)と呼ぶ この現象に
声をくれよ スプートニク
loop loop, again we breathe
loop loop, again we grieve
loop loop... gone.
――それで、君は
いつの時代に
生きてたんだっけ?
Written by: 小松ゆう