目覚めの呪文はまだ

はじまりの鐘は鳴ったけど 世界がまだ開かない

まぶたの裏 現実は少し黙ってる

いつからか歩き方すら 決まっていたみたいで

間違えたら戻れないって 誰に教わったんだろう

鍵はずっとポケットにあった 持ってないふりしてただけ

まっすぐ進む勇気より 帰る理由を探してた

目覚めの呪文はまだ唱えない

このままじゃ何も変わらない

眠りのなか ほんとうを見ていた

夢こそが 私のリアルだから

誰かの声にまかせてた 心が置いてけぼりで

言い訳だけ増えてゆく 今日を守ったつもりで

気づかぬフリがうまくなって 夢がどんどん痩せていく

でもね そろそろ 学びたい 自分だけの魔法を

目覚めの呪文はまだ唱えない

このままじゃ何も変わらない

眠りのなか ほんとうを見ていた

夢こそが 私のリアルだから

目覚めろ、なんて簡単に言わないで

見たくない朝もあるって知ってる

だけど今日だけは言ってみたい

「もう少しだけ、信じてみるー」

目覚めの呪文はまだ唱えない

でもどこかハートがゆさぶられる

閉じかけたドア ぎゅっと手をかけた

夢が私を迎えに来るから

目覚めの呪文はきっと、いらない

この胸のざわめきが その答え

誰かじゃなく 私が決めるの

行くよ、まだ夜の続きの世界へ