Paroles

人混みに躓いてふと目に入る夕方のニュース。
今日も名前しか知らない国の争いを報じている。
「大変そうだなぁ」
思わず漏れる本音に嫌気が差した。
点滅する街灯、解けた靴紐、あの日の傷跡。
どこからか香る幸せから逃げるように足を早めた。
また、今日が終わる。
幼なくて儚くて危うげな遠い記憶を
今でも思い出している
間違いも後悔も噛み砕いて
吐き出す勇気が僕にあれば
たとえもう一度全てをやり直せても
出口のない この迷路で 彷徨い続けるだろう
それでもこの世界で息をしていること
紛れもなく答えだから 痛みを道連れに
「誰かのために生きなさい」
そう言われて育ってきた。
何の役に立っている実感もなく日々を過ごしている僕には、一体どんな価値があるというのだろう。
ただ、目の前のあなたを、記憶の中のあの人を悲しませてしまうとしたら。
そんな思い過ごしのような願望は、今の僕にとって大きな意味となっているんだ。
幸せも楽しさも悔しさもどんな悲しみにも
必ず終わる日が来る
寂しさも虚しさも飲み干して
僕の一部だと割り切れたら
いずれ皆平等に失うのなら
「誰も悲しまない」「未練などない」
それ自体が傲慢
やがて意味が生まれると ひたすら信じて
読まれることのない 宛先もない
手紙を書き続けている
たとえもう一度全てをやり直せても
不完全なままでいいと きっと言ってほしかった
それでも今こうして向き合えていること
紛れもなく僕の答えだ
暗闇でもがきながら必死に生きていた
拭いきれないこの迷いに どうせまた出会うだろう
孤独と願いを紡いで手繰り寄せるよ
痛みさえも隠さないで 祈りを道標に
Written by: Manami Ichinose, RYU-YA
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