湯葉

乗り疲れたからもう降りようか 傘ももういらなそうだし

宿ならさっき予約しといたよ 安く済ませれそうだ

あんまり調べてないけど この先に喫茶店があるみたい

そこで涼んでからでも 良さそうな気がする

明日の予定を決めてなかったな ここの名産でも食べに行こう

観光地じゃないけどブラブラ歩いてさ 立ち止まらないならそれでいいの

西日が強くて 時間が止まらないことを知った

「私が いつまでも進めないのは どうして」

夜８時には戻るから 夕前にはもう出ないと

でも帰りも鈍行にして 急いでもないしね

充電器を忘れたから ちょっとコンビニ行ってくるわ

適当にサイダー買ってくるね 少しだけ外を眺めておいて

風が少し吹いて コスモスが揺れていた

「私には もったいない」と綴る言葉

遠くで花火の音がしたそうか 今日は祭りがあるんだね

戻ったら連れ出してみようかな 浴衣が通り過ぎたんだよ

祭囃子が聞こえたし 後は君が笑ってくれれば

電燈が点いて 羽虫達が踊りだす

「夢中になるから 悲しむんだ」

二度と来ない１日が終わる

君のいない明日が始まる