百鬼夜行

真夜中　バイクの音

爆音で目が覚める

ホント大迷惑

だけど不可解なことが

私の他に誰も聞いてない

家族　近所の人も聞こえてない

いまどき暴走族　田舎にもいないよね

俄然興味湧いてきた　今夜正体を見てやろう

カーテン少し開けて真夜中を待つ

遠くから爆音近づいてくる

先頭は一つ目の大きな赤い鬼

獣の頭の物　首無い物

名称しがたい物もバイクまたがり

これがあの名高い百鬼夜行

最後尾のバイクが

家の目の前で止まる

「よう　ねーちゃん　なに見てんの？

俺のケツ乗せてやろーか」

飛ばせ飛ばせ　静かな街を飛ばせ

壊せ　壊せ　私の日々を壊せ

ヘッドライト青白く燃える火の玉

フレームは動物や人の骨

エンジンは大きな血まみれの心臓

これがあの名高い百鬼夜行

空が白んできてみんな消える

私　知らない場所　取り残される

先頭は一つ目の大きな赤い鬼

獣の頭の物　首無い物

名称しがたい物もバイクまたがり

これがあの名高い百鬼夜行