Songteksten
その名画座は令和五年
遂に幕を閉じた
揺れた平成を全部閉じ込めたみたいな銀座にあった
小さなスクリーンに見合う程の席数
あなたとよく来ていた
硬い椅子のクッションは破けてスポンジが出てる
いつ行ったって二本立て
恵まれていた
緩やかな安定の中にあって
お金の無駄でも
私達には確かに価値があった
十年後でも愛してるって
あなたは言ったけど
その十年がもうすぐ経つよ
まだ私を好きでいられる?
あなたとの二時間が濁るように消えていく
お互いの表情は分からない
悲しくても美しいとか
愉しくても残酷とか
数え切れないぐらい見たでしょう
色んなシーンを覚えてたり忘れたりしてるけど
あなたと私の濁る二時間はいつだって意味があった
変わらない未来なんてない
少しずつ私達も変わった
撮り溜めた未来がもしあったなら
十年経っても愛してたよ
大好きだったよ
でもきっと忘れるよ
思い出せないワンシーンが増えるよ
それでも得ていた
私達にはあった
掛け替えのない毎日が
私とあなたが映画の中の住人だったなら
この名画座の閉館と一緒に逝けたかもしれないね
ほら映画が終わるよ
Written by: SLAVE.V-V-R