Songteksten

[Verse 1]
中学時代は暗黒の時代
運動音痴、細身で色白
最弱のステータス
そんな俺はいつも一人
[Verse 2]
ちがさき、サッカーやろうぜ!
ちがさき、バスケしようぜ!
ちがさき、かけっこしようぜ!
[Verse 3]
中学を卒業した俺は高校デビューを試みた!
姉のアドバイスに従い
薄幸の病弱美少年系キャラにジョブチェンジ!
[Verse 4]
こうして始まった高校生活
俺の地位は一変した
作ったキャラを演じるのはわずらわしいが
息をひそめて生きていたころに比べれば
ずっとずっと楽だった
[Verse 5]
ういっす、みんな何してんの? つーかそいつ誰だっけ?
[Verse 6]
クラスの中心で騒いでいる
リア充ウェイ系
ト・ノ・オ・カ!
俺とは真逆 苦手なタイプだ
こいつとは絶対に仲良くなれない
[Verse 7]
待てよ。なんか落ちたぞ
[Verse 8]
オタク丸出しのキーホルダー
オタクだとばれたら最後
築き上げたキャラが崩れてしまう!
えっと...それ俺のじゃ
これ、えんたくナイトくんじゃん!
しかも、え? マジ? Ⅳの初回限定版特典のやつだ!? すげえ! マジかよ!
速攻売り切れたのによく買えたな!? つーか、茅ヶ崎ってゲーム好きなのかよ?
意外!
外岡は『ナイラン』シリーズの大ファンで、ゲーム全般やり込んでるガチオタだった
友達にバカにされたくなくて隠していたのだという
なあ、『ナイラン』シリーズでどれが好き? 俺はやっぱりⅣ
わかる
いや、でもやっぱりⅦ
それな!
いや、でもやっぱり
わかる!
[Verse 9]
仲良くなるはずなんてなかったのに
別世界の住人だと思っていたアイツはこっち側の住人だった
『ナイラン』というゲームが俺達をつなげてくれた
互いの家に通ってゲームをしたり
進み具合を競ったり感想を話したり
初めて誰かと共有したゲームの楽しさ
放課後の友達は 何でも話せる友達
初めてできた 親友と呼べる存在
[Verse 10]
外岡と仲良くなり始めてから
自然と俺も他のクラスメイトと接する機会が多くなった
そんな時、偶然、クラスメイトの一人と『ナイラン』の話題になった
色々話し込んでるところに、ちょうど外岡が来たんだ
トノ、ナイランⅦの地下神殿でとれるレアアイテムってなんだっけ?
は? 何言ってんの?
[Verse 11]
オタバレするリスクも考えずに
話しかけたのは軽率だったけど 大したことないだろう 俺達は親友
明日はまたいつも通り話せる そう思っていた
[Verse 12]
知ってる? 茅ヶ崎って実はガチのオタクだから
えーマジ?見えねー
『ナイラン』がつなげた二人の絆
マジマジ。病弱ってのもウソで、極度の運動音痴だから体育サボってるだけ
引くわー そりゃ無いだろ
なんでも話せる 俺達は親友
サッカーのPKでも空ぶるんだって。ウケるだろ?
ウケる 幻滅
だけど二人の友情は音をたてて崩れ去った
チガ...! 待てよ、チガ!
追いかけてきた外岡は、泣いてるような怒ってるような顔をして
見たことないくらいうろたえていた
...お前も俺の趣味、クラスの奴らにバラせば
アイツを見ていたら
怒りとか悲しみとかもうどうでもよくなった
確かなことは一つだけ
初めての友達は
放課後の友達は
もうどこにもいない
Written by: 松崎史也
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