Letras
このすりきれた ボロ切れと
みまちがう トランク一つ
心残りにも すべてのものを
故郷へ 置き去りに したっきり
いま ここの 茶色の眼の
黒い眼の 動物園の国にいる
さかさにかぶった 帽子の中には
夕方ごろになれば たぶん
商売の種になる物が つまっている
ここは エトランジェ
そして 生きがいは 一度やったら
やめられないという仕事
歴史の影が放つ
あの革命の匂いの 石畳を歩いて
結局 住み心地が イイナと思う
ホントの夜になれば
輝きを 増した眼で
威力を試して今 あの囚人の想いが
脳裏に迫って 脳裏にせまってクル
クルクルまわる クルクルまわる
このヒューマンな舞台
Written by: 倉橋世川子, 高畠亜生