Letras

黒の墨絵 染めた踊り子
オルガンの音 似合う場所なら
踵鳴らして 歩き出しても
気にも留めずに 擦れ違うだけ
水曜日の 地下鉄から
乗り換えたら 出口はすぐそこ
千切れた雲が 逃げ場を求め
四角い空で 答えも出せずに
褪せたピンクの 裏表紙のサイン
吸い込まれるほど 同じグラデーション
雲の切れ間に 吹き付ける白
塗り潰しては 雨待つ間
窓の向こう 秋隣の風
百日紅の薄紅 宙に溶ける
銀のトリガー 弾く瞬間に
120°視野を変えてみた
風見鶏舞う 公園の隅に
埋めた手帳と 擦り切れたカバー
目印の煉瓦 掘り返してみれば
淡いサーカズム 時間巻き戻す
錆付いた鍵穴 朽ち外れ落ちる
乾き逝く景色 滲んだ文字の上
スライドしかけた 最初のページ
ハイエンドな赤 重なるように
Written by: フレネシ
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